純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

3 More Weeks 後編

2日前の記事[Countdown to 2016 ] 3 More Weeks 前編を、Twitterで@btrax_jpさんをタグ付けしてシェアしたら、なんとリツイートしていただきました。一般人のブログをツイートしていることをあまり見かけないので、私の記事をリツイートしていただいてとても恐縮です!!

本当にTwitterを始め、SNSの力は恐るべし。常に色々なところにアンテナをはることの重要さがとても身に沁みます。つい先日、面白いプロジェクトの参加に声をかけていただいて今準備中です。もうすぐで情報公開できるかと!


ということで、本日は2日前の記事の続きなんですが。。

コミュニティカレッジ卒業間近、btraxさんとビデオ面接を終えたあとは特にそこまで面白そうな会社にめぐり合うこともなく、本当にどうしようかなあとぼんやり考えていた。OPT申請をこの時期にするのだが、このビザを受け取ってから90日以内に仕事が見つからないと、日本に強制送還されるというなんとも怖いビザ。仕事が見つかってないのに申請するのもどうしようかなあ、なんて考えていたがとりあえず申請をした。アメリカ人はだいたい大学を卒業してからゆっくりと就活を始めるので周りで仕事の話をしている人なんか一人もいないし、他の留学生は「社会経験なんかいらないから大学早く卒業したい!」なんて人しかいない。私と同じ道を行く人がいなかったので、相談相手すらいなかった。

今心の底から思うのは、卒業なんかいつでもできるんだから、働けるチャンスは逃さず働くこと!トランスファーする間の1年間なんか、振り返ってみたらたったの1年間。アメリカの就活は社会経験があってなんぼ、むしろ経験がないと採用してくれない。

去年の4月の終わりころ、何気なく広告の授業を受けていると、先生が有給サマーインターンシップのお知らせをしていた。デジタルマーケティングとのこと。迷いなく詳細を聞きに行ったら、私がお世話になっている教授がオーガナイズしているということ。とりあえず、私の履歴書を渡して面接日を決めてもらった。またもや決まった急な面接。これが決まった数日後には、オフィスに行き面接をすることに。

もちろん、アメリカでの面接なんてこれが初めて。一度コミュニケーションのクラスで、インタビューデモンストレーションをしたことがあったが、その時ですらガチガチに緊張した。というのも、日本の面接スタイルとアメリカのものは全然違うから。日本だと、常に向こう側の質問に答えるというスタイルなのと、もっと自分自身についてのことを聞かれる気がする。「学生の頃どういったことをしましたか?」「大学で学んだことはなんですか?」などなど。それに対してアメリカの面接はいきなり「どういったあなたのスキルがこの会社に貢献できると思いますか?」「今現在あるサービスで改善したほうがいいと思う点はありますか?」などと、実践力も求められる。アメリカの会社は0からトレーニングしなければならない新人は採用しない。ある程度の知識や、せめて専攻が会社にあっている人材を採用する。

私が日本の社会の好きではないところは、専攻と全く違う職業に就職する人が多いということ。大学に一度入ると専攻を変えることができないというところ。日本の会社は大学名しか見ないで採用するところ。決まったスキルしかみないところ(TOEICの点数だけとか)。きっとこんなこと言ってると日本の社会人さんから反感をくらいそうだが、もう少しゆっくりと就活までの期間を設けてはどうかと思う。3年生の冬から就活をしていたら、インターンもできずに就職先が決まってしまう。

話は戻り。。 ついに面接の日。デジタルマーケティングということで、photoshopのスキルやweb designのスキルを求められる部署だったので自分のポートフォリオを持ってきてくれとのこと。ただの趣味で取ったphotographyのクラスでphotoshopをかじり、 web designのクラスでHTMLをかじる程度習った。そしてAdvertisingのクラスのファイナルプロジェクトで作ったCMと広告をを見せ、photographyのクラスで作った自分のポートフォリオも見せた。自分のある最大限のスキルを見せ、きちんと答えられたか分からない応答をし、面接終了。正直マサチューセッツ州周辺にしかないカーディーラーシップ(この辺では有名だけど)だし、私が働きたかったのはbtraxさんのようなグローバルな会社、受からなくてもいいや~と思っていたら最終面接に呼ばれた。

1回目の面接でお会いしたボスの上のボスとも面接して、緊張しながらろれつの回らない英語で返答した記憶。それでも、私の中ではっきりしていたのは将来のビジョン。これから1年社会経験を積んでから学生に戻りたいということ。そして、少しでもこの会社で働くうえでの基本的なスキルが身についているということ。アメリカの面接は、面接を受ける側も面接官に対してどんどん質問することで働く意欲を示す。面接というのは自分が面接をされる側だけではなくて、本当にここが自分の働きたい会社かということを面接するのだ。

結果、ありがたいことに採用していただいた。

とりあえずサマーインターンシップということで9月からの会社はまたその間に探せばいいやと思っていたが、この3か月はあっという間に過ぎた。入っていきなりメールマーケティングアシスタントになり、HTMLをかたっぱしから学び0から全て書けるようになり、フォトショップでのグラフィックデザインも日に日に新しいスキルを教えてもらい、次々とできるようになるのが楽しくて仕方なかった。自分で作ったメールを何万人に対するお客さんに送って、何人の人が読んでくれて、そこから購入に繋がったかという結果を見るのはなんだかゲームのような感覚。笑

夏の終わりにこの「ゲーム」を楽しんでいると、ボスを含めた3人から呼び出され、夏以降も働いてくれないかと聞かれた。もちろん答えはYES。ローカルな小さな会社だからこそ、グラフィックデザイン、ウェブデザイン、マーケティング全てを一人で担当させてもらる。まだまだ学び始めたばかりだったので、もっと学びたい意欲の方が大きかったのと、会社の人みんなとっても優しく教えてくれたのでここで働くことに決めた。

アメリカで働くということにいくつか最初は戸惑いも感じたし、軽いカルチャーショック。。

他のサマーインターンが抜けてからは、私以外全員地元出身のアイリッシュガイズ。いわゆる野郎トークが仕事中炸裂しているし、スピーカーで音楽かけながら仕事するし、仕事用のSpotify playlistがあって聞きたい曲あったらここにいれてね!って言ってくれるし。同僚の一人はランチ休憩終わるといつも自分の犬のコーギーを連れてくるのでオフィスにいつも犬がいた。笑 多分この会社はとてもラフすぎるが、それでもみんなとても尊敬できてかなり仕事が早い。全員が全く違う仕事をしてくれるので、自分の仕事の締め切りはその人自身に全ての責任がかかっている。

私も最初は周りのネイティブに比べ英語が劣っているからと、かなり静かに働いていたが、徐々に自分の意見も言うようになり冗談もかわすようになった。そして気づいたのは、世界中どこでも仕事をてきぱきするひとはするし、適当に働いている人はいて、会議中的を射る話をしている人もいれば、全く関係ない話をいきなりし始める人もいる。言語は関係ない、という結論に至った。

メールマーケティングを始めインターネット広告やSEOなど様々な経験を積ませてもらって1年。どうにかワークビザを申請しようと調べてみたがやっぱりコミカレ卒じゃアメリカの政府は申請すらさせてくれない。もともと4年制大学を卒業したかったので、また学生にも戻る決意をした。

仕事を去る前は、私のポジションの後任探しをした。「Sakieの仕事内容は自分が一番分かっているでしょ」と第一次面接を担当。他人を面接することによって、面接官がどういう点をみているかというのがとてもよく分かり、いい勉強になった。

今でもこの会社のメンバーとはたまに飲みに行くくらい仲がいい。当時のボスは私が辞める数か月前に自分で会社を立ち上げるために、いきなり去っていった。SEOのスキルがずば抜けているボスは、今では成功している会社のCEO。

このアメリカでの1年間の社会経験。一年前の自分からは想像できないほど一回りも二回りも成長したし、アメリカの社会のあり方を学べたのがとても大きい。何よりも、自分はマーケティングの道に進みたいと確信できた1年間だった。

この経験がその後の東京でのサマーインターンに大きく影響をもたらすことは、全く想像がつかなかったし、現在リモートで働かせてもらっているのもこの経験があるからこそ。夏のインターンについてはまたいつか話すことにしよう。