純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

【SANO】私にとってのHOME

Sakieが「隣の芝生」というシリーズを始めたので私のなにかを始めたくなった。すごい面白い記事なのでまだ読んでいない方には是非是非読んでもらいたい・part I & Part II

私も面白いことをやっている人をインタビューしようとは思っているが、まず私のユニークな点ってなんだろう?と考えたところ「私はTCKだ」というところにたどり着いた。

TCKってなんだ?と思っているそこのアナタ。TCKとはThird Culture Kids (第三文化の子供たち)のこと。次の質問は「第三文化の子供」ってなんだ?だろう。第三文化の子供(TCK)とは親の出身国以外の国で育った子供のことを言う。私の両親は日本人。私も日本で生まれて小5までは日本で過ごしたが、それ以降はタイ、アメリカで生活をしている。TCKとして育ち75%は恵まれたことばかりだ。でも残りの25%は悩みや困ったことなどだ。

だから私も「TCK says」というシリーズを始めようと思う。TCKとして感じたこと、思いついたことを自由に書いていきたい。


Where are you from? (どこ出身?)

Where's your home? (家はどこ?)

という質問が私は苦手だ。殆どの人にとってはこの質問に答えるのは簡単なのかもしれない。でも私は短くこれっという答えがないから苦手。

私のhomeは?

生まれは横浜。知り合いも友達も横浜/東京エリアには多いので毎年帰っている。でも両親は日本を離れているので、家族はいない。

九州には親戚がいる。おばあちゃんも住んでいたので毎年帰っていた。でも明らかにここは実家ではない。

タイには家族がいる、でも母国ではない。

今はアメリカがベースなので自分の身の回り品はほとんどこっちにある。でも大学内のアパートに住んでいるし、いつかは離れる場所。

多分私にはhomeという地理的な場所がない。

これを悲しいと思う人もいるかもしれない。でも私はそうは思わない。だってちょっと考える視点を変えると私には帰る場所がいくつも存在している。日本も、タイも、アメリカも。

私にとってhomeとは大切な人たちがいる場所。

だから九州も、東京も横浜もアメリカもタイも私にはhomeとかする。

私は Where are you from? と質問されたら「日本で生まれて、タイで育て、アメリカで教育を受けている」と答える。

これはTCKに共通することだと思う。多分TCKにとってのhomeとTCKじゃない人たちにとってのhomeの意味はちょっと違ったものなのだろう。でもTCKじゃない人にとってのhomeも掘り下げていくと「大切な人がいる場所」にたどり着く。実家には親がいる。どこ出身?と聞かれて答える場所には大切な誰かがいて、たくさん思い出がある。

こうやって考えてみると私には恵まれたことに「帰る」場所がたくさんある。もっと大きなスケールで考えてみると人間はみんな一人では生きていない。必ず誰かが周りにいる。すぐ隣にいないかもしれないし、いる存在も感じられない人もいるかもしれない。でも絶対に誰かワタシ/アナタを思ってくれる人がどこかにいるということを忘れてはいけない。