純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

【UNO】好きなことをして何が悪い

「ダンスめちゃしてるけど、将来ダンサーになりたいの?何を目指してるの?」

と聞かれることがある。

「好きだからしてるの」

というと、好きなだけでそこまでできるの凄いね、と言われる。

好きな"だけ"ってどういうことだ?好き"だから"夢中になれるんでしょ。将来に繋がらないことを一生懸命するのはいい事ではないのだろうか?私はダンスに対する考え方が変わったのはボストンに来てから。(私の場合はダンスだけれども、みんなそれぞれの趣味があるのでそれに当てはめて欲しい)

私は金曜の夜から日曜までDance Conventionといってダンスキャンプのようなものに行った。LAやNYを始めとしたプロフェッショナルダンサーのクラスをみっちり受けれ、中にはオーディションクラス、ショーケース、フリースタイルバトルがある。ここで上手い人はピックアップされて、スカラーシップといって賞金や次回のこのダンスコンベンションのフリーパスがもらえる。

普段、ボストン付近で年に2回ほどしかないDance Convention、今回はマサチューセッツ州の二番目に大きい都市Woresterと言ってボストンから車で一時間ほどのところである。カナダやニューヨーク、その他の都市からダンサーがきて様々なレベルがあるので合計500人以上が参加するこのダンスコンベンション。

参加費がかなり高いし私のダンスのレベルじゃやってもお金の無駄だろうと思い興味がなかった。だが、今シーズンかなりダンスにのめり込み、ボストンで色々なクラスを受けていて手応えが出てきたので自分自身に挑戦をしたくてやろうと決めた。それに私のダンスチームの中でこのConventionに参加する人だけでパフォームもするし、友だちの後押しもあり私も参加しようと決めた。

まず結論から言うと、この週末で沢山のことを学んで来たことに本当に満足している。ボストンのダンスコミュニティは本当に小さくて、ビックファミリーでみんながお互いを応援しあっていて、誰かが先生にピックアップされてセレクトグループで踊ると、ボストンダンスファミリーがみんなで名前を呼んでサポートをする。お互いフィードバックを言い合う。

クラスのクオリティもプロのダンサーのクラスなだけあって、ダンス以外のこともたくさん学んだ。例えば、振り付けの始まる前のイントロダクションのフリースタイルの部分。プロダンサーを目指している人も居るクラスなので、先生がどうやったらオーディションなどで選ばれるかというポイントを話していたんだけれども

「振り付けが始まる前のフリースタイル、ただの立ち姿、ウォーキングで審査員の目を引くこと。始まる前に。これはダンスに限らず他のことでも、考えすぎるのではなく自信を持って自分の可能性を信じて挑むこと。」

といって、とても心に響いた。

私のダンスのレベルは、このダンスコンベンションのアドバンスクラスにいる中ではお世辞でも上のレベルとは言えないし、振り付けもボディマッスルが覚えるまでにはいかなかったけど、この過酷なスケジュールな中、最後まで諦めずに自分の限界に挑んだのでとても満足している。

1日目は夜からだったので9時頃終わり、次の日は朝の8時から、パフォーマンスのために練習、ウォーミングアップが8:45から始まり5クラスが4時頃まである。そのあとまた練習をし、7時頃にショーケースに出た。友だちはバトルにも出ていた。全てが終わったのが夜の10時頃。疲れ切っているため、そのまま泊まらせてもらっている友だちの家に。

最終日は朝の8時からオーディションクラスがあった。選ばれる自信なんかこれっぽちもなかったけど、自分への挑戦をしたくてもちろん参加。朝から緊張感に溢れる会場で、プロダンサーの前で踊ることは自分の身も引き締まるし、自分のすべてのものを出し切ったあとは達成感に溢れる。終わってからポジティブフィードバックをもらったのでは、これだけで満足。でもそんなことも言ってられず、そのままの3時頃までまたクラスが続いた。

そして今からまたダンスチームの練習があり、文字通りダンス三昧の週末を過ごしている。

確かに、私はここまでダンスにお金と時間をつぎこんでいるが、わたし自身はとってもハッピー。やるからにはとことんやりたいし、やるからには上を目指したい。それに仲間がいることがダンスをここまで続けられる理由。上手く踊れた日は褒めてくれるし、落ち込むと励ましてくれる。

私のとても尊敬する、ダンスチームのディレクターは、本当にダンスが上手いし今回も奨学金をもらったり、セレクトグループで踊ったりとプロダンサーになれるレベルなのに、本業はダンサーではないし職にはしたくないと言っている。こうやって、社会人の人がここまでダンスに対して向上心があると、私もここまでのレベルになりたいと思う。

こう好きなことをすることはきっと自己満足でしかないけど、それで自分がハッピーならするべきだし、自分の生活が潤う。好きなことをすることは、自分の頑張り次第ですぐ結果にもつながるし、全て自己責任。必ず他のことにもつながると信じているから、好きなことを続けることを私は応援する。