純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

【SANO】今を生きる〜Chasing the sunset

ものすごくバタバタした数週間を過ごしていた気がする。

卒業後のこと、大学の事、勉強、仕事・・・。やることを片付けるスピードが一日の時間に追いつかず延長、延期と思うように物事が進まなかった。

でも、今日あらゆることが一段落した。長い間書いてなかったせいかものすごくブログを書きたくなった。

エジンバラに来てからかどれだけ自分の人生がソーシャルメディアだったり、ネットに支配されているか気がついた。 私は誰かと一緒にいたり、外食中に携帯を触ったりはしない。でも、FacebookもInstagramも一応ツイッターもやったりしているので朝起きるとまず携帯でメール、Facebookをチェック。前ほどInstagramはチェックしないようになった。

でも同じ大学の同年代の子たちと一緒にいるとみんなどこにいようが、誰といようがお構いなしに携帯に集中。一応隣にいる相手と会話をしようと質問をしたりするが、携帯をいじりながら答えを聞く。

数週間前にスコットランドの北の方に旅行にいった。ミニバスを借りてみんなで楽しく話をしたり、カラオケをしたりしているのに数人は携帯に食らいつく。 ハリーポッターやジェームズ・ボンドの撮影に使われた壮大な景色を目の前に携帯でいかに美しい写真をとるか、どれだけ遠く離れた家族や友達にキレイな写真を遅れるかというのが優先。

ソーシャルメディアは我々若者の情報源でもあり、自分の事を多くの人と一気にシェアすることが出来る。でもそれと同時に「今」、「この場」からふと意識が離れ異次元の世界に連れ去ろうともする。

エジンバラに来た最初の頃は私も携帯に夢中になり1時間半後画面から目を離し外をみると暗くなっていた事がある。その日は毎日のように雨が降り続いていたなか唯一太陽の光が見えた日だった。どれだけキレイな夕日が見えただろう・・・と思うとすごく反省した。

その日から出来るだけ夕方になると窓の外をみるようにしている。2月も3月も曇りの日が多かったのでキレイな夕日を見れたのはほんの数日だけ。でも晴れた日、日没時間に時間さえあれば家から歩いて15分ぐらいのところにある小山に登って夕日をみるようにしている。

やることが多くて一日中パソコンに向かっていてももしキレイな光が見えたらジャケットを手に家を飛び出て小山に登っている。

私にとって日の出と夕日は今を生きているシルシなのかもしれない。毎回同じ場所で見ても一度たりとも同じ景色は観たことがない。毎日少し違う光の加減だったり、光と影のコントラスト。

夕日を見ながらその日一日のことを考える。嬉しかったこと、上手くいかなかったこと、反省しなくてはいけないこと・・・。自然 vs. 私で携帯やソーシャルメディアに邪魔されず面と向かって会話をする。

少し忘れかけていたものが見えてきた今日このごろ。