純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【UNO】ボストンツアーガイド

5月中旬に最後の期末試験を終え、その次の日のニューヨークへ弾丸旅行に行って約2週間の短い夏休みが嵐のように過ぎ去っていった。

ニューヨークから帰ってきた足のまま、友達のダンスショーを見に行った。次の日は朝からダンサーの友達でハーバードの大学院を卒業したばかりの友人と初めて出会った場所でダンスレッスンを受け、LAに引っ越していってしまう前にビーガンフードレストランでランチ。

(こんな植物があっていかにもビーガンフードのレストランっぽいディスプレイでしょ)

そして家にシャワーを浴びに帰り、今度は日本から友人がくるので空港まで迎えに行った来た。今回の相手は、何度かボストンに来てくれているのでどちらかというと今まで行ったことのない観光地巡り。

日本で人気のアメリカ観光地といえば、ニューヨーク、LA、サンフランシスコ、フロリダ、ラスベガス。。などなので、ボストンまで足を運んでくれる人は本当に私がいるからという理由で来てくれる人ばっかり!こんなところまではるばる来てくれるのは本当にありがたい>< 私の同い年くらいの子がまだ大学生の間は、月1で友達がやってくるという現象が起き、毎月同じような観光地を案内してあげてたの。笑

ボストンのツアーガイドをしてみて改めて思ったのは、日本にボストンの情報があまり出会わっていないということ!そして、ガイドブックで見るものと自分の目で見るものはやっぱり違うということ。この4年間でボストンを大好きになってしまった私は、もっと多くの人に知ってもらえたらいいのになあと。

今回周ったのは、ニューベッドフォード、コンコード、ケープコッドのプロビンスタウン。もちろんこの他に、私の大学を案内したり、

(私の大学の新しい校舎。ガラス張りで現代的なのにここでの授業はまったくない笑)

彼の職場のボストングローブという新聞社の見学、レッドソックスの試合にボストンバレエ団の白鳥の湖をみたりした。レッドソックスでは上原が出てくることは残念ながらなかったものの、白鳥の湖ではMisa Kuranagaという日本人の方が主役でやっている公演を運よく見れた。


マサチューセッツ州はイギリスのメイフラワー号が初めて到着したところとしてアメリカの歴史としてもとても重要な場所なんですが、なんと日本とアメリカの国交の歴史としてもとっても大切な場所。

みなさん、ジョン万次郎という人を知っていますか?なんと、アメリカに初めて住んだ日本人なのです。 江戸時代末、当時14歳で漁師だった万次郎は高知県から友人5人で漁に出ていたところ、嵐に巻き込まれ無人島に到着。何もない島で海藻と鳥を狩って生き延びていたところ、約60日後にアメリカの捕鯨船に発見され救出された人。

その捕鯨船の船長ジョンは、ジェスチャーでコミュニケーションをとりこの5人が日本から来たということを理解。当時鎖国を行っていた日本に戻ると死刑になるためこの5人を連れてハワイまでいったそう。無人島からハワイまでの3か月の航海の間、船長は一番若くて優秀な万次郎を是非もっと教育したいということで、一緒にアメリカのマサチューセッツ州ニューベッドフォードに連れて帰ることを提案したところ、好奇心の旺盛な万次郎は一緒にアメリカにわたることを決意したそう。

(ニューベッドフォードの街並みが国で守られているらしく、ヨーロッパみたいでとても素敵)

そのニューベッドフォードに行って万次郎の住んでいた家や学校に行くツアーに参加をしたのです。ニューベッドフォードはボストンから車で1時間半ほど南に行ったところにある小さな港町。

この地に100年ほどまえに日本からはるばる来たことを考えるだけで、とても感動。彼の通っていた学校の黒板には日本語が少し書いてあったりして、とても誇らしげな気持ちに。

この万次郎さん、なんとあの黒船ペリーが来たとき、鎖国時代への終止符、そして明治維新と大活躍した人なのです。初めて日本からアメリカで船で渡るとき、あの福沢諭吉などと同じ船に乗っていた人。

私は恥ずかしながら万次郎さんのことを日本の歴史で習った記憶がなく(大学受験は世界史受験だったので笑)、ニューベッドフォードなんて遠いのでいやいや行ったものの、いざ行ってみると大興奮。それに、ガイドのおじいちゃんが自分の車で3時間も色々なところに案内してくれたのです。

(この写真では残念ながら写っていないものの大きなハットをかぶっていて雰囲気のあってとても素敵な方)

このジョン万次郎博物館は現在の天皇陛下も訪問されたこともあるそう。このガイドのおじいちゃんはジェラルドさんといって、立派な理事長で彼の経歴もとても素晴らしいもの。

彼の大学生時代はロシアとの冷戦時代で、男子生徒は全員2年間軍隊の訓練をしなければいけなかったらしい。大学卒業後、彼は空軍としてGOサインが出たらいつでもロシアに攻撃ができるようにヨーロッパの上の空を24時間ほど止まらずに飛行し続けるということを数年間続けたそう。

ヨーロッパを空の上から長い間眺めていたけれども、一度も降り立ったことのないジェラルドさんは空軍引退後世界一周をすることを決意。今から50年以上も前の時代に、しかもスクーターで世界一周をしたそう。3年間に渡る旅の最終目的地は日本。30か国以上も回ったけれども、日本人の温かさに魅了され、その後アメリカに帰国。ニューベッドフォードの教会にて現在の日本人の奥さんと出会ったそう。

ジョン万次郎さんの歴史だけでもとても驚いていた私は、ジェラルドさんのお話しも聞いてとっても感動をした。遠くの国のように思える日本とマサチューセッツ州がこんなにも様々な繋がりがあるんだなあと。

ジョン万次郎さんが送った5本の桜の木を囲んで毎年お花見をしているそうで、来年のお花見には絶対に参加したいと約束をした。

ガイドブックには載っていないけれどもとても素敵なマサチューセッツの街をもっと日本人に広めていきたいと思った1日だった。