純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

New Podcast
海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

【SANO】Pokémon Go革命?

私は親の教育方針でゲームを与えられなかった。周りはほとんどがゲームボーイやファミコンを持っていたが、私は買ってもらえなかった。だからか今でもゲームを無我夢中でやっている人を見ると少し偏見の目で見てしまう。

今話題沸騰中のゲームといえば・・・やっぱりポケモンGOでしょう。アメリカでアプリダウンロード開始からもう一週間ぐらいたつだろうか?

毎日ニュースを見ていると必ずと言ってポケモンGOに関しての記事があがっている。ポケモンGOが最初にアメリカで出た時の熱といったら・・・。アジアでは延期延期でまだダウンロード開始されていないようだが、ポケモンファンの期待といったら・・・。

ダウンロード開始後まず目にしたのはポケモンGOに熱中しすぎて事故っちゃった系のニュース。アメリカの高速でポケモンを見つけ車を止めてポケモンを取りに行こうとしたら玉突き事故になったり、前を見ず携帯のスクリーンばっかり見ていたせいで崖から落ちて全治数週間の怪我をしたとか。夢中になってゲームをしすぎていつもは絶対に行かないようなところにいったら死体を見つけてしまったとか。

ゲームとはいえどここまでの事故が起きて大丈夫なのか!?と思っていたらいやいや、良いニュースもあるじゃないか!

うつ病や社会不安障害のような精神疾患を持った人たちに効果的という症例が出ているそうだ。ポケモンGOでポケモンを捕まえるには外に出ていろいろなところに行かなければならない。だから今まで引きこもり状態でほとんど外出しなかった人が外に出たり、人と会話をしなかった人が街でポケモンGOをやっている人と話したりと人と人とのコミュニケーションが増えているみたい。今後は精神疾患のセラピーにも使えるかもといったニュースも少なくはない。

他にもリハビリ中の人がポケモンGOを始めたことによってリハビリがスムーズに進んだり、リハビリを嫌っていた子供が自ら進んでリハビリをするようになったとか。こういった良いニュースを聞くと、ゲームも悪くはないのでは?と思ってしまう。

今までフェースブック、ツイッター、スナップチャットと今までの常識を覆すようなアプリはたくさんあるが、ここまで話題になったゲームアプリはあるだろうか?ダウンロード開始前からすごく期待されて、爆発的な人気を誇るこのゲーム。なぜ現代の人々はこのゲームにここまで熱中するのだろうか?

私が思うにこのゲームには今までにはなかったものが一つある。それはバーチャルな世界とリアルな世界が混ざり合ったこと。リアルな世界(プレイヤーがいる世界)とバーチャルな世界(ポケモン)をスマホがつないでいる。例えば、日本で大人気なモンスターハンター。これは基本的にすべてバーチャルな世界だ。リアルな世界では絶対に起き得ないようなモンスターが出てくる。どこにいても同じように遊べる。だから家にこもって何時間もスマホに向きながら遊ぶ人も少なくはないだろう。RPG系のゲームも実際では起きない。だってゾンビが襲ってきてそれを銃で撃つ?そんなのありえないだろう。第一ゾンビなんかが発生したら立ち向かうもなんも安全な場所にまず逃げるだろう。

普通だったらポケモンも実現するわけがない。ポケモンのアニメを第一話から毎週見ていた私も小さいころあんなふうにポケモン捕まえて育てたいなーと思ったことが何度もある。進化する瞬間にワクワクした感情を今でも覚えている。でも不可能だと思っていたそんなことを今のスマートフォンというテクノロジーを使い可能にしてしまったもんだからすごい。

人とのやり取りはLINE。何か報告があればFacebookでポスト。素敵な写真はInstagramでシェア。タクシーもUberのおかげで最初から最後まで会話無しで乗れる。日本の地下鉄に乗っていてもロンドンのチューブに乗っていても、ニューヨークのサブウェイに乗っていてもみんな携帯に釘付けでどっちの世界で生きているのかわからなくなる時が多々ある。実際の友達はいないけどFacebookでは500人以上「友達」がいる。普段は誰からも何も言われないけど、Instagramで写真をあげたら一気に100いいね!を貰える。なんて人も少なくはないだろう。私も一日中だれとも話さず、会わず、ずっとスマホに向かっていようと思えばできる。そんなバーチャルの世界ですごすことが多くなった人を現実に少しでも戻してくれるゲームなのかもしれない。

私は基本何かを始めるとのめり込んでしまう派なので、今ポケモンGOを始めようとは思わない。でももしかしたらこのゲームはスクリーンと人だけでなく人と人をつなげてくれるようなゲームになってくれるのではないかと思ってしまう。