純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

自分の身は自分で守る

前に書いた「アメリカに住んで直面した現実:言語」に引き続き、本日は「自分の身は自分で守る」

アメリカに居ると、日本で当たり前のことが、面白いほど当たり前ではない。

例えば、日本ではすぐ熱を出すと病院に行ったりするがアメリカだととても高いのでよっぽどのことがない限り行かない。病院に行くとしても、保険会社にどこの病院に行けばいいか聞いてから病院に行く。救急車は有料、しかもとても高額。(日本は無料)

私はアメリカでコンタクトを購入をしたくて、自分の保険が眼科もカバーしていると思い、眼科にアポイントをとった。眼科でも私の保険会社を聞いてきたので答えて、眼科側でも保険が聞くか調べてくれた。実際に眼科に行き、視力検査と処方箋を出してもらったら、合計$70。高いと思ったが日本に帰るよりは安いし。。これくらいだろうと我慢をしていた。そして数週間後、請求書がやってきてそこに$300との数字。いやいや、嘘だろうと思い無視していたらその後何度か請求書が送られてきた。

結果、支払いました。普通の健康保険では眼科と歯科はカバーされていないらしい。アメリカで眼科に行かないと心に決めた瞬間。

こういった医療系は本当に日本の医療保険がいかに国民を守ってくれているかを身を感じて実感する。

歯医者さんにも行けないくせにアメリカ人の歯の重要視度が半端ないので、最大限セルフケア。電動歯ブラシにフロスにマウスウォッシュをすべてホワイトニング使用。おかげで日本に帰ると友達に、「なんでそんなに白いの?」と聞かれる。

医療系の他に自分の身は自分で守るという思った出来事がある。

日本から送った荷物が届かなかったのだ。

3年前の夏、アメリカ渡米の際に送った段ボール2つ。直前にもらった友達からのアルバムや寄せ書き、他にも洋服などが入っていた段ボールを送った。だが、送ってから数週間たっても来ない。これはおかしいと思っていた矢先、やたら小さい段ボールに私の手書きの住所の紙が貼ってあるものが届いた。嫌な予感が走り、中を開けてみるとニット帽とハットしか入っていない。。。

これはおかしいので、郵便局に電話をしてみると、トラッキングナンバーを教えてくれとのこと。教えたところで、荷物自体は私のもとに届いたということになっているので、ここから先は何も助けてくれない。

数日後、私が受け取った荷物と段ボールと住所の紙を持って郵便局へ。だがここでも同じことを言われた。「日本側に問題があるから調べろ」とのこと。絶対そんなことがないのは分かっているが、お母さんに頼んで問い合わせてもらったが日本では問題のないということ。

それ以降何度もアメリカの郵便局に行って問い合わせたし、ルームメイトにもお願いし強くいってもらったが、誰も何もしてくれることはできず、結局泣き寝入り。

どうやら、保険をかけずに送った私の「責任」らしい。

日本で荷物が消えるなんてことがないし、保険をつける発想が何よりもない。日本だと郵便局に文句を言えば「申し訳ございませんでした」と言いどうにかしてもらえるところだが、アメリカは「保険つけてなかったあんたが悪い」と言われて終わり。

渡米前に忙しくて落ち着いて読めなかったみんなのメッセージを一生読めないと分かった瞬間は、さすがに泣いた。まだアメリカに来て2週間。学校もまだ始まっていなく、家も見つかっていなく、友達もいないしすることもない。私の心細さと不安が爆発した瞬間だった。

それ以降、家族も私になにか送ってくるということは1年ほどしなかったし私も送らなかった。それ以降も送るときは必ず保険をかける。

この他にも、アメリカだと不自由なことが沢山あるが慣れてきたのと、何か問題があったらちゃんとがつがつ議論しに行くというのを学んだ。日本と違い、アメリカはすべてビジネスでやっているので会社が儲からない話には耳を傾けない。でも、いかにここで強くでて引き下がらず言い合うかが重要で、相手が少し折れる場合もある。

アメリカでプライベートな問題や少し行き過ぎる内容の訴訟があるのは、こういう背景からだ。

おかげでだいぶ自分の意見を言えるようにならざるおえないし、少しでも不安なことがあったら「どうにかしてくれるだろう」とは一切期待することはなくなり、すべて聞いて確認するようになった。

自己責任感が強くなり、アメリカに何年も住んでるととても人間として強くなる。