純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【SANO】一番効果のある勉強法

私は大学でチューターの仕事をしている。 いわいる日本で言う家庭教師のようなもの。でも相手は同年代の大学生。今はもう4年生なので相手はほとんどが年下だが、この仕事は2年生の時に始めたのでたまには年上の学生を相手にチューターをしていたこともある。

まず簡単にアメリカの大学の制度を説明しよう。もちろんすべての大学が同じではなく、私が言えるのはリベラルアーツに関してだ。(これに関してはまた後日話そう)

まず大学に入るときは学部の受験を受けるのではなく、センター試験のようなテスト(アメリカのはSATという)の成績や、高校の成績、活動などいろいろと資料を提出する。だから大学にまず受験するのだ。そして、合格したらどの学部を選んでもいい。そして、一度所属する学部を大学の方に申請してもある一定の時期までは変更が可能。知り合いではまずビジネスを専攻し、1年生の最後に歴史に学部を変更し、2年生の途中で哲学にまた学部を変更した人もいる。

学部/大学を卒業するにはいくつかの必要条件がある。例えばとらなくてはいけない授業だったり、単位だったり。学部にもよるが私の所属する生物学部は入門のクラスともう一つの授業をとれば後はどの生物学部の授業をとってもいい。でも日本と一番違うところは基本的にいつどの授業をいつとってもいいということ。だから周りを見渡せばクラスには新米の一年生からベテランの4年生までいる。

私が今とっている微生物学の授業は基本的に殆どの学生が4年生だ。人気のクラスは4年生が最優先される。でももう一つとっているイスラムのクラスや哲学のクラスには1年生から4年生までいる。

大学制度の話はここまでにして本題に入ろう。

私の大学ではチューター制度があり、ある授業で好成績を収め、教授から許可を貰えればその教科のチューターになれる。私の場合は生物学、化学、数学。(うん。ここでも左脳っぽさが発揮できている。正直自分でも若干引いている)

例えば私が2年生の時にとった有機化学と生物有機化学では意外といい成績をとることが出来たので、今この授業をとっていて助けが必要な人を相手にチューターをしている。とくに生物有機化学はうちの大学で一番難しい授業といわれており、チューター出来る人が残念ながら私一人しかいなかった時期もある。なので、大学が始まりだんだん本格的に授業が始まり学生が慌て出すころ・・・大体始まって3週間あたりから毎日チューターに関してのメールが届く。

今学期は生物有機化学は教えていないがその代わりに生物学の入門クラスの学生3人と数学の学生3人と化学の学生2人を教えている。一人につき毎週2時間教えているので結構時間がかかる。

でもこうやって学生を相手にチューターをしていて気がついたことがある。それは、人に教えるということが一番効果のある勉強法だということ。

人に物事を教えるということはまず、自分でもちゃんと理解していなければいけない。もちろん授業によっては暗記が大切なものもあるし、数学のような応用が基本なものもある。でもどれも基礎というものがあり、それはまず内容を理解することから始まる。

私は中学、高校の時代から一番自分にあった勉強を探していた。今は授業、科目によって勉強法を変えたりとだんだん自分にあった方法がわかってきた。でもやっぱり基礎を勉強するのには人を教えるということが一番効果がある。

私は友達と一緒に勉強というのは向いていない。なんせお喋りなので勉強はそっちのけでぺちゃくちゃ話してしまう。でもチューターのようにちゃんとお金をもらって仕事として働いていればそういうことはなくみっちり教えることが出来る。というよりも私のチューター方私がレクチャーするのではなく、教えている学生に内容を説明してもらう。もしわからないことがあればそこで私が説明するが、基本的には彼らに内容を説明してもらっている。

もしこの方法をトライしてみたい人で教える人がいない!という人はまず自分で自分に教えてみるのはどうだろう?声に出してなにを理解しているかを喋ってみる。口に出してみると意外と分かっていること、分かっていないことが見えてくる。

そして理解が曖昧だと思う場合は先生にアプローチしてみる。先生に授業でわからないことがあったのでちょっと質問したいと時間を作ってもらい自分が分かっていることを説明してみる。そしてわからないことは質問する。

もしこれが無理であれば親でも、兄弟でも彼、彼女でもいいのでその学問の知識がない人を相手に説明してみる。自分が分かっていても説明次第で相手は理解してくれないかもしれない。そうするとさらにアタマをひねり分かってもらえるように工夫して説明する。

まさについ先日DNA複製(理系ではない人:1つのDNAをコピーし2つ作ること)の説明をするときにいろいろと専門用語を使っていたら教えていた学生はなにも分かってくれず困った。そこで丁度ジッパー付きのジャケットを着ていたのでジッパーをDNAと見立てて開いたり閉じたり、ここがこうなって、ここにこれがきて・・・と説明したところやっと理解してくれた。

と、私はこのチューターの仕事から多くのことを学んでいる。学生のモチベーションが低い時はこっちもやる気があまり出ないが、人に教えるということは想像以上にアタマを使う。でも一番効果のある勉強法だと思う。いや、そういう研究結果も実際出ている。だから是非トライしてみては!?