純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

New Podcast
海外に住んで視点が変わって見えてきた世界

【SANO】はっきり物事を言い過ぎてすみません

昨日Sakieが書いたブログの記事を見ながら「うん、うん」そうだよな・・・と一人で頷いてしまった。

英語でpolar opposite(極端な真反対)という言葉があるのだが本当に私たちは真反対。でも多分コアな部分は似ているんだと思う。お互い好きなことにものすごく執着し、集中するところとか。自分で言うのも変だが向上心が高いところとか。自分の意見をはっきり言うところとか。


今日はちょっとこの自分の意見をはっきり言うことについて書いてみようと思う。

私は日本人。だから「遠慮する」ことや「上には口出ししない」の定義をマスターしているかと言われると残念ながらイマイチ不得意。いや、今日のトピックは「はっきり言う」ということなので、正直に言おう。「残念ながら」とは言ったが、実際は残念になんかこれっぽっちも思っていない。そして「不得意」と言ったが、全く身についてないといったほうがいいかもしれない。

ここで注意。「物事をはっきり言う」のと「無礼/失礼」は全く違ったものだ。もちろんこの2つは長いスペクトル上にあるという人もいる。だからこのロジックだったらはっきり物事を言い過ぎたら無礼になる。でも私はこの2つは全く違ったもので同じスペクトラムで考えてはいけないと思う。

物事をはっきり言うのは愛があってのこと。もちろんその発言が厳しい時もあるし、耳に障る時もある。でもすごくパッショネイトに思っているから思ったことははっきり言う。これはどちらかと言うとアメリカンな考えなのかもしれない。でも、上下関係無しで、ためになることであればいくら厳しくてもはっきり思っていることは発言する。よく考えればこれが成立するのはお互いをリスペクトしている関係。お互いをリスペクトしているからはっきり物事が言える。リスペクトしていなかったら・・・ただの無礼としか捉えられないかもしれない。

日本社会ではやっぱりまだ上下関係がはっきりしている。たまに耳にするのは仕事もろくに出来ない年配の上司が高収入の仕事に着き、仕事が出来る若造が定収入の職についている。この考えは古いのかもしれないし、私の得ている情報が時代遅れなのかもしれない。でもやっぱり中高での先輩/後輩関係は今でも伝統の用に取り入れられている。この関係から得られる多くのものがあるのも確か。でもこの関係に慣れすぎて自分の意見をはっきり言えなくなっているのも確かだと私は思う。

もちろんアメリカでも上司、部下の関係はあるが、やっぱりアメリカは結果がすべての社会。だから下っ端でもものすごくいい結果を残し、ポテンシャルがあるとみなされたら昇格は早い。

私は日本の先輩/後輩社会で育っていないのでいまいちピンとこない。もちろん年上の人とは敬語で話すし、挨拶はする。でも少しでも仲良くなればあんまり上下関係は関係ない。実際に2年前の夏大阪大学で研究をしていた時にこの上下関係を肌で感じた。M1の学生とB4の学生、学年は一つしか違わないのだが先輩/後輩の壁は高いみたいだ。私は仲良くなれば年齢差も関係なくアダ名で読んだり(もちろん大半は本人から承諾を得ている)、一緒にご飯を食べに行ったりしていた。でもこれは先輩/後輩社会ではタブーだったのかもしれないと気づいた頃には時すでに遅し。もう後戻り出来ないぐらい仲良くなっていた。

少し話がずれたが、無礼とはなんだろう。無礼はためにならないことや、言わなくてもいいことを当たり前のように言う。礼儀に欠けていて相手に対して心得をわきまえていないこと。といえば「愛」無しでただ物事を言うこと。

もちろん厳しい意見だったら愛なんてすぐには見えない。上司からガミガミダメ出しされる時。親から叱られる時。愛なんてこれっぽっちも感じない。でも一旦クールダウンして考えてみると本当に「愛」がないのであればわざわざ時間をさいてダメなところを指摘なんかしないんじゃないか?親も親として子供が大切だから叱る。大人になってだんだん気づき始めたが、叱られたことは役に立っている。

私は思ったことを良かれと思い発言し、嫌われるのならば一旦は考えなおす。

もうちょっと別の言い方はなかっただろうか?

言いたいことが本当に伝わっているのだろうか?

時には周りの意見も取り入れながら考える。

そしてベストな方法でもう一度伝える。

それでも伝わらなかったら、多分相手にちゃんと「愛」と意見が伝わらなかったんだろう。その場合はそれ以上考えずに前に進む。

この頃やっと気づいたのだが、みんな私の考えに賛同してくれるとおもったら大間違い。みんな違う環境で育ち、違う景色を見て、違う考えを持つ。いろんな考えがあって当たり前。でもカギはどれだけオープンマインドでいるかということ。周りの意見を取り入れる、取り入れないは別として広い心で聞き入れるか、ということが重要。