純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【SANO】LDOC: Last Day Of Class

やってきてしまった・・・。この大学のキャンパスでの最後の授業が。

まだ期末試験は始まっていないが、今日で1学期の授業は終わり。もちろん、大学生としてはもう一学期残っているのだが、1月からはスコットランドに行くのでこのFurman Universityのキャンパスでの授業は今日で終わり。

まだ大学生活のことを振り返るのは早いが、ここでの生活のことをちょっと振り返ってみようかと思う。

まずSakieがよくブログで書いているように「隣の芝生は青くみえる」というのは本当にアメリカに来て通関した。ずっと憧れていたアメリカ生活。今考えて見ればなにに憧れていたのかは分からないが、多分よく観ていた映画や、ゴシップに影響されていたのだろうと思う。でも実際は夢見ていた世界とは全く違った。今以前思い描いていたアメリカというのが思い出せない・・・でも私は学生で校内に住んでいたということもあり、あまり「アメリカらしい」生活はしていない。多分Sakieみたいに校外に住んで常に街に遊びに行ったり、公共機関で移動をしているともっとアメリカに住んでいる気持ちになれるのかもしれない。

でも、私の3年半は本当に学生らしい生活をしていたと思う。唯一の至福の時間は金曜日の夕方やることすべてを終えて部屋に帰りなにもしないでボーッと映画を見たり、時間を気にせず読書をしていることだった気がする。それ以外は勉強していたり、家庭教師をしたり、実験をしていたり。

私が住んでいる町はサウスカロライナ州の北にあるグリーンビルという町。アメリカの「綺麗な町ランキング」なんかにもよく載っていたりするいま注目の町らしい。でも、残念なことにキャンパスはダウンタウンから車で20分ほど。そしてキャンパスの周りはほとんど何もない。買い物に行くのも歩こうと思えば歩けるが、車で行った方がいい距離。私は車を持っていないのでほとんど身動きがとれない。どうしても必要なときは友達に頼んだりしていた。が、ここまで移動が制限されている中で3年半を過ごすのはとても大変だった。

これにはアドバンテージとディスアドバンテージがあると思う。アドバンテージとしては、どこにもいけない=勉強に集中できる。でもディスアドバンテージとしては、気晴らしが出来ない。ずっと同じ場所にとどまるというのはとてもつらい。ましてや学校にずっといると気を抜く時間を見失ってしまう。

こんなことや、人間関係に悩まされ一時は精神的に参ってしまったこともある。鬱とまではいかないが、だれとも話したくなく、会いたくもなくとにかく一人になりたかった。でも時間が解決してくれた。

とこことで、ちょっとキュレーションチックに「アメリカの大学に留学するということは本当はどいういうことなのか」というのを私なりにまとめてみた。

 

1.家族と離れているので、身の回りのことはほとんど自分でできるようになる

アメリカの大学にいてすごく感じるのは、周りの人はすごく親に頼りがち。私のルームメイトも未だに病院の予約は親がしてくれていたり、なにもかも親に頼りっぱなし。もちろんいろいろとやってくれる親がいるのは羨ましいなと思ったこともあるが、留学生として親が近くにいないので自分で何でも出来るようにならなくてはいけない。飛行機をとるのも自分で、病気になったら病院に行くのも自分で、なにかを申請するときに必要な書類を集めるもの自分でする。当たり前のことだと思いがちだが、以外に親に頼っていることがあると思う。

2.カルチャーショックは意外に大きく、大半の学生がホームシックになる

私自身インターナショナルスクールにかよっていたのであまりカルチャーショックはなかった。もちろん「え!?」と思うことはある。でもこれは日本にいてもあるので、カルチャーショックといえるのかはクエスチョン。例えば南に住んでいるとすごくみんな丁寧。「Yes, sir」、「Yes, ma'am」とsirとma'amをつけるのは基本当たり前。これに関しては3年半住んでいるがなれないし、これをつける必要生が未だに分からない。でもインターナショナルスクールにかよっていなかった友達も多く彼らにとっては「アメリカ文化」、「南部カルチャー」にはショックを受けたらしい。 私もホームシックになった。多分多くが1年生か2年生でなる。私の知っている人の多くは2年生でホームシックを経験している。私も実は2年目でなった。この理由として1年目は新しい環境に慣れたり、大学生としての生活を満喫している間に時間が過ぎていく。だから前に進むのに必死なんだと思う。でも、2年目になると大学生活にも慣れてきていろいろと考える暇も出来る。だから家族のことを考えたりしてしまうのかもしれない。

3. ファッション?そんなのは二の次。基本的には着ていて楽なものを選ぶ!

アメリカだからプレッピースタイルで学校に行っていると思っている人も少なくはないが、プレッピースタイルで登校する人は殆どいない。しかもカバンはハンドバックやショルダーバッグのようなアイテムではなく、リュックサックがマスト。多くの学生がヨガパンツやタイツ、スエットで登校。楽でオシャレな服が人気なのかもしれない。でもみんな基本的にカバンはリュック。たくさん本を持ち運べるし、疲れにくいという点では一番学生スタイルにフィットするのが背中に背負えるリュック!

4. 暗記よりも「理解」を求められる

これは私が日本の友達と大学について話していたり、イギリスの大学に通っている友達と話していて気がついたことだ。私はアメリカの大学で暗記を求められたことはほとんどない。日本だと歴史で年号を一生懸命覚えたり、単語を暗記したりしているが、正直なぜあそこまで暗記にこだわるのかが分からない。例えば私が先学期とった「日本の近代史」という授業では一つも年号は覚えなかった。徳永家康の生まれた年も、本能寺の変も、死んだ年も私は知らない。でもこのクラスでは彼が当時の日本にもたらした影響や、彼のおかげでどういった変化があったのかを話した。今とっている微生物学では微生物学の名前をいくつか覚えなくてはいけない。でもクラスは名前を覚えて終わりではなく、これらの微生物学がどういった影響をもたらすのかについて考える。

だからよくWhy? How?と聞かれる。学んだことを応用し、自分なりの見解を導き出すことを常に求められれている。

5. 修士や博士号を取る人が多い

日本とは若干違いアメリカの学生の多くは最低でも修士まではとる。日本は理系だったら修士、博士号まで取る人も少なくはないみたいだが、アメリカは文系、理系関係なく修士に進む。もちろん進まない人も少なくはないが、やっぱり特化したスキルがないと話も始まらない。学士は基本的にベーシックしか学ばない。だから学士で生物学を専攻していても雇ってくれるところはほとんどない。これは他の経理やビジネスなんかも同じ。雇ってくれても誰でも出来る仕事に着くのが大半。もちろん学士だけで起業し大成功した人や、自分なりに新しい分野を開拓している人も多い。だが、向上心がなく、早く勉強から手を引きたいという人は大抵就職に困る。

修士や博士号にすすんだから偉いとかは全く無いが、やっぱりもっと深く学問を学べるという点ではその分野のスペシャリストになれる。

6.大変なこともたくさんあるが、人間としての成長は半端ない

留学とはなんだかんだ大変なことばかりだ。ビザの事もあるし、自分の食事管理や、休みのあいだの予定などいろいろと考える事はある。でも最後に信用できて頼れるのは自分だけ!という中で生活しているといつの間にかメンタルの強い人間に成長している。

そして失敗を犯しても自分しか攻める人がいないということで、この経験から学ぶことはたくさんある。


 

長々と書いてしまったが、終わりよければ全てよし。ここでは多くのことを学び、正直最後となるとちょっとさみしく感じる。