純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【SANO】意味知ってて使ってる?

つい先日すごく日本人として恥ずかしい記事をツイッターで見かけた。3年前近くに書かれたアメリカ版ハフィントンポストの記事だ。

そのポストはこの写真について書かれていた。

[caption id="attachment_1845" align="alignright" width="1024"]Image-1024x764 @Zarina Yamaguchi[/caption]

 

 

 

 

 

 

 

正直びっくり。この言葉の意味が分かっているのだろうか?

この言葉は英語では放送禁止用語のトップ3に入るぐらい、公共の場では使わないほうがいいという言葉。

中学、高校の時によく友達から「日本語で悪い言葉教えて」とよく言われていた。実際に考えてみると日本語ってあんまり汚い言葉はない気がする。

バカ?アホ?クソ?チクショー?

もちろんいい言葉ではないが、そこまで悪い言葉ではない。言われていい気分はしないが、近い仲であれば使う言葉かもしれない。そんな「悪い」言葉をあまり使わない日本人。なのになんでこのポスター?

このポスターを作った人・・・いや、考案し、編集し、承諾した人たちは本当にこの言葉の意味を知っていたのだろうか?

多分答えはNO。

正直言葉の意味を理解せずこういった公共の場に貼るポスターに使っているのも疑問に思うが、なぜこの言葉を使おうと思ったのかが気になる。

しかもポスターを見てみるとたったの20%。これは"FUCKIN’"でもなんでもないレベルのセールだとまず言いたい。20%オフなんて普通にそこらでやっている。

カッコイイから使ったのだろうか?第一私の知り合いもよく意味を知らず「ファッキャー、ファッキュー」と言っていた。なぜこの言葉を使っているのか聞いたところ「カッコイイから」と返ってきた。私にはなぜこの言葉が「カッコイイ」のかが分からない。このポスターはFUCKIN'としか書かれていなかったが、この言葉は貶す言葉。周りを貶すことがカッコイイのだろうか?英語だからカッコイイのだろうか?だったら他にも何百、何千と単語は存在する。比べ物にならないぐらい「カッコイイ」単語はたっくさんある。

インパクトがあるからか?いや、逆にBIG SALEとかMEGA SALEの方がセールのインパクトはあると思う。もちろんよく聞く言葉だが、私たちはこの言葉を聞くとなんか大きいセールをやってるんだ!とすぐわかる。だからセールの宣伝としてはこっちの方が効果的だと思う。

人の気を引くために使ったのだろうか?だったら素直に日本語を使うほうが確実に意味を伝えられる。

面白いから?いや、正直面白みは一つもないと思う。

 

いくら考えてもなぜいい年した大人の集団がこの言葉を使う結果にいたったのかが私には理解できない。

そして、日本語と英語を話す一人としてすごく恥ずかしい。

私は「日本語」は世界の中でもすごく美しい言葉だと思っている。もちろん私が日本人だからということもあるが、考えてみて欲しい。世界の言葉の中で日本語ほど複雑な敬語を使う言葉があるだろうか?尊敬語、謙遜語、丁寧語、美化語・・・勉強する側としては可愛らしくない文法。でもここまで複雑になるともうすごいとしか言いようがない。この敬語のせいで上下関係が厳しかったりネガティブな事もたくさんある。でもやっぱり言葉は表現の手段。いろいろな敬語が存在することでいろいろな表現の仕方がある。海外の人も日本語は美しい、とよく言っている。

でもそんな「美しい言葉」を使う日本人がこういった言葉を使うとは誰もがびっくりしていると思う。もちろんすべての日本人がこうではないが、やっぱりソーシャルメディアが盛んなこの時代にこういった写真が出まわるとすぐ「日本」という国に目が向く。そこで頭のどこかで、大半はこんな言葉は使わない人と分かっているのだが、多分瞬時に「うわ!これって日本!?日本人ってこんな言葉をポスターに使うのか!」と繋がってしまう。

出来ることならこの会社にいってレクチャーしてあげたい。この言葉の意味を。

正直今日は他のことをブログで書こうと考えていたが、このポスターを見て至ってもいられなくなった。