純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【UNO】走る時に考えていること

前回の旅行の記事以降、仕事も本格的に始まりとてもバタバタした日々を相変わらず過ごしている私。

そんな中、日本でもほぼ毎日走ってトレーニングをしていたため、

1月11日にハーフマラソン大会に出場し、自己ベスト更新。なんと103人中5位に入賞したため、表彰されました!

今回はかなり慌しい朝の後にレース出場。

なんとその日は妹の成人式。朝7:30に家を出て着付けなどを終わらせて帰ってくる妹を待って、9:30頃に家を出て会場に向かうという、ギリギリのスケジュール。

私のレースの時間は10:45.

大会会場に着いた頃はもう10:10。ウォーミングアップや準備運動はレース2時間前からゆっくり行い、精神的にも落ち着かせるようにするが今回ばかりは、直前にやることになってしまった。

今更焦ってもしょうがないので、心を落ち着かせて20分間のウォーミングアップ。

私は大会前、適度な緊張をする。音楽を聞いたり、軽いダッシュをすることで精神を落ち着かせるようにするのは、高校の陸上部の頃から変わらない。

ウォーミングアップ後は、レース用のウェアに着替えトイレなどを済ませたら、あっというまにコールがかかった。

ハーフマラソンなのだが、一周3kmの道を7周走るというコース。

よく、「走ってる時何考えてるの?」と聞かれることがある。

私だって、楽しくて走っているわけではないし、今すぐ立ち止まりたいとも考える。

今日は、私が具体的に何を考えながら21km走っていたかについて。


  • 最初の1周目:3km地点 -

スタートした瞬間。1軍のタイムが2時間までの人と、2軍の2時間以上の人があり、自分の能力に合わせてスタート。

私の今回の目標は1時間50分を切ることだったので、もちろん1軍。でも後ろの方にいた。

最初の1周目は、とにかく人が多い。自分のペースをつかむのは、とても大変で、ここでいかに普段トレーニングしていてペース配分を分かっているかで差がつく。

周りの人は、目標ゴールタイムが同じような人が多いはずなのにもかかわらず、結構遅く走っている人がいたので、相当な数のランナーを抜きながら走って行った。

それに最初の出だしが肝心だと思っているので、少し早めの人に頑張って着いていくようにした。

大会という少しエキサイトメントな状況なので、アドレナリンが凄く出る。

でもそこで、呼吸に集中をして鼻から吸って口で吐く、腹式呼吸をするように心がける。自分の体に向き合い、これからの21kmを準備するような感じ。

  • 2周目: 6km地点 -

最初のLap,3kmは15分以内のペース。

最初の人のかたまりがだんだんとバラけてくるとき。

ふと周りを見渡してみると、男女一緒にスタートしたはずなのに、女子が全くいないのだ。

でもよ〜く見てみると、遠くの方にピンクのパンツを履いている女子、黄色の人がいた。

なので、この女子二人に近づくことを目標に走り出した。

  • 3周目: 9km地点 -

あっという間に3周目。 30分以内つまり15分/一周のペースをキープ。

ターゲットを見つけて走っていて、いつも走っているより正直早めに走っているが、

それでも、まだハーフマラソンの半分も走ってないのであくまでも自分のコンディションに集中してみる。

走るリズム、これでいいんだっけ? 左膝に負担がかかるような走り方してないかな? 呼吸、乱れてないかな? 肩に力が入ってるからもう少しリラックスしきゃ。

などなど。

と、考えているとだんだんと前のピンクに近づいてきた。おし、これはもう抜くしかないと思い、ゆっくりゆっくりと抜く準備。

箱根駅伝を見ていた人はわかると思うが、長距離で人を抜く時はじわじわと攻める。

そして、責められている人はそれを感じて追い抜かされないように少しペースをあげる。

そんなやりとりをしていて、ついにピンクを抜いた。

  • 4周目: 9km地点 -

5分/kmのペースをキープ。

ピンクを抜いた後は黄色がターゲット。

でもそこまでアグレッシブにならないように、音楽に集中をして気分を紛らわせたり、呼吸/フォーム/肩の力など考えることが沢山ある。

でも前の黄色だけには追いつきたい。抜きたい。。。

ということで少しだけスピードアップ。黄色は私の目と鼻の先にいた。

突然苦しさが押し寄せる。ハイスピードで走っているのを全身で感じ、このままこのペースで最後まで走りきれるかとても不安になる。

自分への挑戦と負けず嫌いが優先をした結果、

少し無理をして黄色を追い越すことに成功。

  • 5周目: 12km地点 -

一周15分以内でラップを取りたいため、少しだけ最後はスピードアップして15分以内/一周&合計45分地点。

目標としていた黄色とピンクを追い抜かして、心の中でガッツポーズをしていたのも束の間。

5周目を越えた瞬間に、抜かしたばかりの黄色とピンクがかなりのスピードアップをして抜かしてきたのだ。

4周目の最後スピードアップをしたし、正直一番きつい瞬間だったのだが2人に一気に抜かされるのは、私の負けず嫌い精神が許さないため(笑)、抜かされた瞬間そのまま2人についていった。

かなりきつくて、「今すぐにでもスピードダウンしたい!」と思っていたが、ここでスピードダウンをして楽をしたらこのまま自分を追い込むことはできないし、目標タイムにも近づかないだろうなということで、腕を大きくふり足を動かすことで、必死についていった。

すると、前の黄色がスピードダウンをしてきたのだ。

この人のことなら抜けるかも!と思っていたらキツさが和らいでいる自分がいて驚いた。

そして黄色の人だけは抜かすことができた!

ピンクの人も黄色の人との距離もできたため、その後は自分のペースを保つ。

-6周目: 18km地点 -

足もだんだん重くなるし、脇腹もたまに痛いし、コアマッスルが疲れてきて、体全体の疲労を感じる。

ふと前を見ると遠くの方に、お母さんが立っていた。

来る予定はなかったのだが、成人式の妹を見送った後に来てくれたみたい。

お母さんが笑顔で応援してくれる姿を見ると、不思議と力がみなぎる。

来てくれたことがとても嬉しい。

辛いときに味方をしてくれるのは、いつも大切な人。その辛いときがどんなときかは教えてないのに知っている。

お母さんがわざわざ来てくれたので頑張ろうと思うが、やっぱり体は重い。

気分を紛らわすために、ダンスで踊ったことのある曲を聴いて振り付けなんかを頭の中で考えたりしながら走った。

それでもキツイのは変わらないし、今すぐにでもペースダウンしたい、立ち止まりたいとも、もちろん思う。

でもキツイのは今だけ。立ち止まる=諦めた後のことを考えてみる。タイムに追いつかなかったときのことを考えてみる。

私の望んでいる結果ではない。

今ここで諦めたら、将来他のことも簡単に諦めてしまうような気がする。

逆にここで自分を追い込むことができたら、他のことはなんでもできる気がする。

そんな葛藤の中、、

  • 7周目: ラスト1周! -

お母さんには、「次ゴール!」とだけ、叫び笑

自分自身を応援する。「最後なんだからラストスパートをかけないと!」と。

ここまでくると、太ももからふくらはぎの裏全体の疲労感を一番感じ、足が後ろに流れそうになるが、「前に前に」と意識して足を踏み込む。

腕を大きく振る。

一周遅く走っている人を沢山抜かした。

そして、とにかく力を振り絞り最後の1km地点。

ここまで呼吸は乱れないように意識していたが、さすがに呼吸が荒くなったが気にしない。

腕を大きく、足を前に、でも体の芯はブレないように。

競技場が見え、歓声が聞こえる。

ラスト200メートルはトラックの上。

お母さんがゴールの先に見える。

ラスト100メートル。

ゴールラインは目と鼻の先。

最後のラストスパートはかなり早く、短距離走を走っているかのようにスピードを出し、

ゴールラインを迎えた。

タイムを見ると1時間46分17秒。

目標タイム1時間50分を大幅に越えて完走。

半端のない体の疲労感よりも、 達成感の方が大きい。

自己ベスト更新の喜びと自分に打ち勝った。

記録表をもらうと、なんとそこには女子103人中5位とのこと!

「え、5位!?????」

どおりで周りに女子がいなかったわけだ!

少し体を休め、着替えた後に帰ろうとすると、

「5位 内堀早絵さん」

と放送が!まさかの表彰式で名前が呼ばれているを知り慌てて表彰台に。笑

お母さん、前で大爆笑。

でもやっぱり表彰をされると気持ちがいい。

私より前の順位の人は、意外にも年上の方たち、経験者ランナーだ。私もこのままランニングを続けたいと思わされた瞬間。

いつも不規則になりがちな日本滞在中、今回ハーフマラソンを予定に入れたことにより、体調のコンディション、食べ物、睡眠などに気を使ったので、ヘルシーに過ごすことができたことに満足。

前回のハーフマラソンよりも走り込んでないのに自己ベストを更新できたのは、ランニングに限らず毎日何かしら運動をしているからかなあと思う。

このまま運動を続けていくのが目標。

ハーフマラソンの21kmの道のりは、様々なシチュエーションの葛藤に似ている気がする。

今回こう踏ん張れたことに誇りを持ち、 この自信を他のことにも向ける。

2016年良いスタートが切ることができた。