純ジャパから見た海外・帰国子女から見た日本

正反対の二人が海外経験を通して得た出来事をお届け。

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【UNO】アメリカで就職活動2

前回の記事でお伝えしたアメリカ留学生の卒業後。一般的なことはそちらの記事を読んでもらって、今回は私自身について書きます。

unotosano.hatenadiary.com

はじめに

まず現状から言うと、就活も終わり、OPT時に必要なEADカードも移民局からやっと先週受け取って、今週から就職しました!

アメリカでの社会経験

実は、今回のOPTはアメリカ生活二度目。先日卒業した4年制大学に編入する前に、2年制大学を卒業しているのでその直後に取得をし1年間アメリカで働いていました。

詳しいことは、こちらの記事を読んでもらうとありがたいのですが。。

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アメリカと日本の就活で大きく違うところ

自分から始めないと、一生始まらない

日本のように何月何日から情報解禁という日もなければ、仕事始めが4月1日ということもないのだ。

いつ就活を始めるかというと、その人次第。

アメリカで就活をする上で大切なこと2つ

1)「いかに自分の能力と経験を売れるか」

アメリカの会社は即戦力になる人材を雇う。そう、経験重視。

日本みたいに新卒の社員を0から育てるなんてベビーシッターはしてくれない。なので自然と何事にも意欲的で向上心にならざる終えないし、自分の強みを分析し面接時に伝え、なんで自分がこの会社に必要かをプレゼンする。

この面接スタイルに慣れるまで結構時間がかかったし、経験もそこまでない最初の方は何を話していいのかわからなかったけれども、アメリカで1年間働いた会社を辞める際(2015年6月)、自分の後任を面接することによって面接官側のポイントもわかるようになった。

2)コネクション

日本で「コネを使った」というとネガティブに聞こえるが、アメリカではコネクションやネットワークが本当に大切。普通に履歴書を送っているだけでは、一向に前に進まない。

大学の卒業生や友達、知り合いなど手当たり次第連絡をして、自分がどういう職種の仕事を探しているかを伝える。会社のほとんどが社内に紹介専用のサイトみたいなのがあるので、その会社に働いている人に連絡を取って紹介してもらうことがとても大切。

大企業になればなるほど、自分の履歴書は埋もれてしまい、目すら通してもらない可能性が大きい。

私の実際の話

元々の予定では、春セメスターを5月に終え、6月から8月まで3ヶ月間、学校の授業としてインターンシップをするつもりだった。

学生ビザではお金を稼ぐことができない中、インターンの授業としてならCPTというワークパーミットで普通のセメスターならパートタイムで週20時間まで、サマーならフルタイムで週40時間働くことができる。

正直、私は今まで色々な職務経験をしてきたつもりだし、サマーインターンくらいなら余裕ですぐ決まるだろうという自信があった。

大学最後の1年間、学校のフィットネスジム、水泳、スケートリンクなどを統括している部署のマーケティングアシスタントをし、ビジネスサークルのマーケティング統括、そしてダンスチームのSNSマーケティングもしたいた(イベントとかショーを主催するのでがっつりマーケする必要があったの)。

これに加え、前回のOPTの時の社会経験と日本での経験。

履歴書の職務経験の欄の見栄えはその辺の学生に比べ良い方だと思っていた。

こんな風に余裕をこいていたのと、最後のセメスターは目まぐるしく忙しかったのでインターン探しを本格的に始めたのはなんと4月後半

本気で大企業でサマーインターンを探す人たちは春休み前に面接まで終わらせているのが普通。私は大企業は興味がなく、ローカルの会社やスタートアップ、それかコネでなら何か見つかるだろうと思っていた。

4月

そこそこ名の知れた会社のインターンに応募をしていたが一向に返信がない。たまに連絡があったとしても、日本でいう「お祈りメール」。知り合いにインターンを探していると連絡をし、履歴書を送っておいてもらうが音沙汰なし。

5月

期末テストシーズンに突入し、ペーパーにプレゼン、テストに追い込まれ、隙間時間に少し履歴書を送る程度。このアプライする際に何に時間がかかるって、カバーレターが一番時間がかかる。カバーレターというのが、いわゆる志望動機とどうして私がこの会社に必要かをアピールする場。

アメリカ留学歴5年とはいえ、こういった力強い文章は完璧にかけないのでいつも誰かに添削してもらう。というか、アメリカ人も必ず添削してもらっている。

日本の履歴書は全て手書きでなければいけないのに比べ、アメリカは全てパソコン。履歴書はアプライする会社によって微調整をするものの、ほぼ同じものをどの会社にも送る。というのも、履歴書には学歴、職歴、スキルくらいしか書かないから。顔写真も生年月日も、もちろんなし。いかに経験重視かというのが分かる。

ちらほら面接を受け始めたのは5月終わりから。

大学OBOGが就活に関するパネルディスカッションをするイベントがあったので参加した。OGの中の一人がファッションのスタートアップのCEOというので、すぐにインターンを探していることを言うとその数日後に面接に呼ばれたものの、自分のやりたいことと少し違ったのと無給インターンと言うことでお断りした。この頃は自分にまだ自信があった頃。

小さなスタートアップの面接も受けた。しかし、無給インターンだったのにも関わらず、断られた。正直これにはかなりショックを受けたけれども、ブログなどを含めたコンテンツマーケティングと言うことで、私の大の苦手とするライティングが求められるので、自分のライティングに自信もなかったのでよしとしよう。

6月

夏学期の授業としてのインターンの締め切りまで残り二週間!

焦る気持ちを見て見ぬ振りをして、まだまだ諦めずにアプライした。毎日毎日色々な友達に聞いてもらったり、各会社の主催するソーシャルイベント(コネクションを作るため)に行ったり、Linkedinで大学の卒業生を探したり、リクルーターから声がかかった事もあった。

電話面接までこぎつけても、留学生でビザが1年しかないと伝えるとビザのスポンサーはしてないといって断られる。(アメリカで一次面接が電話と言うのはとてもよくあることで、私自身もわざわざ会社に行かなくて済むので助かる。)

アメリカの就労ビザのスポンサーって聞き馴染みがないと思うけど、要するに会社がアメリカ政府に「他のアメリカ人じゃなくて日本人のSakieがうちの会社に必要なんだ!」と申請する。しかも、お金が結構かかる。軽く5、60万以上。

会社はたった一人の人間にここまでお金を出すと言う価値を見出さない限り、ビザのスポンサーなんてしない。それなら、同じスキルを持ったアメリカ人を雇った方がよっぽど安い。だからビザのスポンサーを探すのはとっても大変。

イベントで出会った会社にアプライするものの、駄目。 電話で一次面接までしても、駄目。 友達を通してアプライしても、駄目。

インターンをクラスとして履修できる締め切りの日まで来てしまったので、渋々夏のインターンを諦めざるを追えない状態になった。

もうこの頃には、あれだけあった自信のかけらも何も無くなっていた。

私が自信を失った、次にしたこと

冷静に自分自身がどういう企業に需要があるのかと言うのを考え始めた。

自己分析だ。

その末、3択の答えが出た。

1)日本に帰国。

だって日本にある外資系の会社の方が自分の需要はあるでしょ?でも正直全然帰りたくない。。

2)アメリカ国内にある日本の会社に就職

西海岸やニューヨークには沢山の日本の企業があるし、テキサスなどには日本の工場が沢山ある。でもボストンから引っ越したくないし日本の企業でも働きたくない。。

3)アメリカの会社で日本語を必要とするポジションを探す

この選択肢も他の都市が多い。面白そうな職種は沢山あったが、どれも私の職務経験からして採用してもらえなさそうなのばかり。

6月から7月にかけては、この3つの選択肢に当てはまる職種を毎日暇があるたびに探した。

もう日本に帰るしかないのかと、日本での求人を探したり。でも「ボストンから引っ越したくない!」とボストンで日本のバックグラウンドを必要とする職種を探すものの、ボストンは教育系か医療系が強いけど興味がないので諦めたり。

日本の自動車メーカーの工場(アメリカの田舎)などの仕事を見つけるが、自分のフィールドと違いすぎて働く気がなくて嫌になったり。

私はやりたいことにしかパッションが湧かないタイプなので、やりたくないことはできない厄介な性格。

それはある日突然やってきた

探し始めて数週間、7月の始めの方に、私にぴったりの仕事をLinkedinで見つけた。

某日本スポーツメーカー 「スポーツ、グローバルマーケティング、ジャパニーズ」しかもボストンオフィス!

内容を見ても、私にとても興味のある仕事。日本の企業だけどアメリカ側、しかもボストンでの採用。

働きたい!

跳ね上がる気持ちを抑えつつ、冷静にどうしたらこのポジションをゲットできるか考えた。だって今までそのままダイブして失敗してきたんだもん。

そして出た答えは、「今まで一度も使ってこなかった大学のキャリアセンターの人に話を聞きに行く。」

アポイントメントを取って

  • 履歴書
  • バーレター
  • このポジションの求人

を持って相談しに行った。

貰ったアドバイス

  • 求人欄にどういうったスキルを必要としているか

  • そして自分の履歴書が対応しているか

  • 履歴書に書くべきものとカバーレターに書くべきもの

最後に言われたのは今すぐにアプライすること

今までこのキャリアセンター使ったことがなかったのが馬鹿馬鹿しいけど、最後に使っただけよし。

次にしたこと

私がする必要があったことは、他の応募者よりも良い意味で目立つこと。

Linkdinでこの会社で働いていて、私と共通のコネクションがある人を探した。

この数ヶ月の就活を通して、会社に直接アプライしても埋もれる可能性があるというのを学んだから。

運よく共通のコネクションが居る現在ボストンオフィスで働いて居るディレクターを見つけた。しかもその人、今年の3月までの2年半神戸と東京オフィスで働いていたなんて!もしかして、他のアメリカ人よりも私のこと理解してくれるし親近感を持ってくれるかもしれない!!

ここからした大切なこと

迷いなく、その人にメッセージを送った。軽い自己紹介とその人自身のその企業での実体験を聞く。

あくまでも、こちらがその企業に興味があるというよりも先に、その人自身に興味があるということを示すのが大切。

誰しも自分に興味のある人に好意を持つでしょ?笑 その後にきたメッセージの軽い質問に答えた後に、こちらから電話をできないかと提案をする。アメリカではいかにアグレッシブに意欲を見せるかということでやる気を伝える。

送られてきたメッセージはこちら

"Do you want to chat at 10:30am on next Friday?" 「それじゃあ来週の金曜日10:30に話そうよ!」

軽く「話そうよ」と言われたがこれは立派な電話面接。こんなふうにLinkdinのメッセンジャーで電話面接までできるのは、現代アメリカだなと感じるが違和感はない。

その電話面接は約1時間ほど。

話たいって言ったけど、何を知りたいんだい?と聞かれたので、質問した内容はザッとこちら。

  • 私のバックグラウンドは日本人なので、それを活かせる仕事を探している。

  • あなたは日本の会社で働いていて、しかも日本とアメリカ両方のオフィスで働いた。その経験上、日本人と日本で働くことはどう思った?働きやすかった?

  • 会社はどれくらいグローバルな会社なの?

  • みんな英語話せるの?

  • あなたの部署はどんなことをするの?

  • その部署の課題はなに?

うちの会社に興味あるの? その一週間後にオフィスに呼ばれ、その1週間後にはなんと採用された!

オフィスに呼ばれた日には、ディレクターとその他2人のマネージャーと話し、既にチーム構成まで説明までしてくれた。滞在時間1時間半と電話面接20分。その次の週に人事から連絡があり、採用して頂いた。

詳しい電話面接や実際の面接のコツみたいな内容はもし需要があれば今度話すとして。

長く感じた就活期間も、インターンを諦めてフルタイム(正社員)の仕事を探し始めてから内定を頂いたまで、たった1ヶ月半しか経っていない。しかも実際にアプライをして面接をしたのはこの会社だけ。だって、他に興味があるものがなくってここにしか行きたくなかったから。

今までやってきたことに無駄はなかったというか、インターンが見つかっていたらこの仕事は見つかっていなかったし、全てに意味があるんだなと感じた就職活動だった。

2020年の東京オリンピックに向かって日本のみならず世界中で盛り上げようとしているアシックス。こんな滅多にないチャンスに巡り合えたことは本当にラッキーだなと思うし、チャンスを掴んだからこそこれをモノにするのがこれから。

このブログでもアップデートして行きたいと思います。